インダストリー4.0:ものづくりの未来

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主にデジタル化によって進められている第四次産業革命のもたらす結果のうち、全世界でますます重要性を増しているものはなんでしょうか?「インダストリー4.0」と称される今回の産業革命は、一方では最先端の情報通信技術と生産とが密接に結び付いた、スマートな、デジタル相互連携システムをもたらします。同時に、仕事を再編させるきっかけも提供します。たとえば機械は身体的負荷の高い作業を引き受けることができ、さらに柔軟で家族との時間も確保できるような就労時間規定を可能にします。

過去の進歩としては、蒸気機関、コンベヤーベルト、電力や情報技術の使用といったイノベーションのおかげで大きな躍進を遂げた例が挙げられますが、今日のインダストリー4.0はスマート・ファクトリーによって特徴づけられます。これは、人、機械、システム、物流、そして製品が互いに通信を行い、直接連携し合うような、大幅に自動化された生産プロセスを可能にするデジタルネットワーク化されたシステムに基づくものです。これにより、さらに効率的で柔軟性の高い生産が可能になります。情報がすべてリアルタイムで入手できるようになると、企業はたとえば、特定の原材料の在庫に対して適時に反応することができるようになります。企業全体を通じての生産フローを資源やエネルギーを節約するように設計することも可能です。

Plattform Industrie 4.0を通じて繋がる

ドイツの「Plattform Industrie 4.0」は、生産プロセスのデジタル化についての対話を促進し、国際的な交流の重要性に注目しています。たとえば、日本のロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)や、米国企業のIBMやゼネラル・エレクトリックなどによって設立されたインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(ICC)などと協力しています。「Plattform Industrie 4.0」「Alliance Industrie du Futur」、「Piano Industria 4.0」の独仏伊の協力パートナーは、中小企業がデジタル化をさらに利用しやすくするため、三カ国における応用例を集めています。

ドイツ産業連盟(BDI)の会長であり、Plattform Industrie 4.0のマネジメント・メンバーを務めるディーター・ケンプ教授は、ドイツ政府が開催した2017年デジタル・サミットの場で次のように主張しました。

「『インダストリー4.0』と称される社会経済と日常生活のデジタル化は、生産性や競争力を高め、新たなビジネスモデルを創出するなど、計り知れないチャンスをもたらします。私たちはこの潜在力を引き出さなくてはなりません。そのための最善の方法は、国際的なパートナーとの交流です
ディーター・ケンプフ教授、ドイツ産業連盟(BDI)の会長、Plattform Industrie 4.0のマネジメント・メンバー